英語のリスニング力を上げるコツと勉強法を紹介|学習に使えるアプリも
英語学習をしていく中で、ほぼすべての人がぶつかる壁がリスニングです。
日本語とはかけ離れた音がたくさんある英語は、日本人にはとても聞き取りづらいのです。
あらゆる教材や勉強法を試してみたけど、いっこうに聞き取れるようにならないという人は多いのではないでしょうか。
この記事ではリスニング力を上げるコツと、リスニング力を鍛える勉強法、そしてリスニング学習に使えるアプリを紹介していきます。
Contents
リスニング力を上げるコツ
リスニング力を鍛える方法を見る前に、まずリスニング問題に望む際に気を付けておきたい、聞く時のコツを抑えておきましょう。
一語一句全ての単語を聞き取ろうとしない
リスニングでつまずいてしまう人に共通している間違いは、一語一句すべて聞き取れないとダメ、と思い込んでいることです。
例えば以下の動画の9:16のところで、I don’t know if I can do that much exerciseという文章が出てきます。
リスニングに苦手意識を持っている人はこの10単語全てを聞き取ることができなければ、理解したことにはならない、という考えを持っているのです。
ネイティブスピーカーも実は聞き取れていない
ここで衝撃の事実なのですが、実はネイティブイングリッシュスピーカーも一語一句聞き取れているかと言われたら、そんなことは無いのです。
英語は音をたくさん省略し、変化させる言語です。そのうえ出身地によってどこをどのように省略するかが変わります。
日本語でも方言はありますが、英語が公用語の国は世界中に58ヶ国あり、さらにアメリカなどの広い国では国内でも無数の方言があります。
そのため、ネイティブスピーカー同士でも、慣れていない地方の英語だと何を言っているのか半分も分からないということはザラにあるのです。
60%聞き取れれば、意味は分かる
しかし聞き取れなかったからと言って会話ができなくなることはありません。60%も聞き取れれば、あとの40%は自分で補正して、何が言いたいのかは理解することができるし、会話の流れもつかめます。
隣の部屋で誰かがテレビを観ているときを思い出してみてください。
壁越しだから何を言っているのかはあいまいだけど、声の調子やリズムでだいたいどういう趣旨のことを言っているのかが分かる、という経験があるのではないでしょうか。
同じことを英語でもやれば、聞き取れる英語の量は変わらなくても、理解できる量は増えていきます。
音声変化・音のつながりを意識する
これもよくある間違いです。スクリプトに書いてあることは全て発音されている、と考えてしまうのですが、発音されていません。消えている音もあるし、2つの音が繋がって1つになっていることもあります。
先ほどのI don’t know if I can do that much exerciseをもう一度聞いてみましょう。
主語の「I」は「アイ」ではなく「ア」。「don’t know」はtの音が消えて「ロノー」。If I can do thatは全て繋がって「フアキャドゥザ」と聞こえます。
聞こえますというより、実際にそう言っているのです。
リスニングに慣れていない人は、リスニングを鍛えればこれが「アイ・ドント・ノゥ・イフ・アイ・キャン・ドゥ・ザット」と聞こえるようになると思っています。
残念ながらそうは言っていないので、そう聞こえることはありません。こうやって聞こえるはずのないものを聞こうとして、泥沼にハマってしまうのです。
音声変化を意識する
前後の単語によって音が変わる、ということは日本語にはあまりありません。
そのため、英語を聞く時は特に意識しなければ、音声変化についていくことが出来ないのです。
音源とスクリプトを見比べ、聞き比べ、繋がっている音や無くなっている音を見つけてみましょう。
こういった音声変化のパターンを身に付ければ、英語を聞いたときに理解できる量は格段に増えていきます。
日本語訳しない
リスニングがむずかしい理由の1つは、音声についていけなくなる、ということです。
1つの文章を処理している間に次の文章が始まり、パニックになって何も聞き取れなくなってしまうという経験は誰にでもあるはず。
ついていけなくなる原因が、日本語に訳して理解しようとしているからです。
英語を日本語に直すという作業はなかなか骨の折れる作業です。語順の違いのために、最後まで文章を聞かなければ、日本語に直すことは困難ですし、中にはプロの翻訳家でも訳し方に困る文章もあります。
日本語訳しながら聞くという作業はあまりにも効率が悪く、ついていけなくなるのは当然なのです。
そもそも英文をその場で日本語訳するという作業は、何年も訓練された通訳者がやることです。英語学習者ができることではありません。
英語を英語のまま理解するほうが楽
「英語を英語のまま理解する」
かなりレベルの高いことに聞こえますが、実はそこまでハードルの高いことではありません。
例えば次の文章を読んでみてください。
日本語訳しなくても話し手にとって今日がどういう日か、すぐにわかったと思います。
その通りです。
自分のレベルよりも低いレベルの英文は英語のまま理解できるのです。この事実を押さえておきましょう。
ということは自分の英語レベルを上げていけば、英語のまま理解できる範囲が増えていきます。
そしてリスニングでも日本語を理解するように、音声が流れたそばから理解できるようになるのです。
数字の発音・読み方を知っておく
試験のリスニング問題で点を取る、ということにおいて重要になるのが、数字の読み方です。
リスニングの音声で数字が出てきたら、その部分が設問で取り扱われる確率が高いです。
そのため、年号や、人口などの大きな数字の読み方を知らないと失点につながるのです。
また、日常会話でも数字が理解できた方が、会話に参加しやすくなります。
詳しい読み方の解説を書くと長くなってしまうので、別のブロガーの方にお譲りします。
Atsueigoさんによる大きい数字の読み方
日本語教師の英語講座さんによる年号の読み方
おススメのリスニング勉強法
リスニングのコツをいくつか紹介しましたが、コツやテクニックはリスニングの底力があってこそ活かせるものです。
リスニング力を鍛える方法を見ていきましょう。
と、その前にまずリスニングができるという状態を定義する必要があります。
リスニングができる、つまり英語が聞き取れるということは英語の音を聞き分けることが出来て、なおかつ理解ができる状態のことです。
音が聞き取れても理解できなければ、リスニングができるとは言えないのです。
そのため、リスニング力を上げるには英語の音を聞き取る能力と、聞き取った英語を理解する能力の2つの能力を鍛えることを意識しなればならないのです。
以下ではこの2つの能力両方を鍛える方法を紹介していきます。
勉強法1:音読
音読は聞き取った英語を理解する能力が鍛えられる練習法です。
英文のスクリプトを用意して、それを声に出して読んでいくという練習法です。
リスニングの他にも、リーディング、発音、語彙、スピーキングが鍛えられる万能な勉強法です。
もちろん、ただ読むだけでは効果はありませんいくつかの注意点をしっかり押さえて行いましょう。
注意点1:理解しながら読む
理解できていない英文をいくら読んでも効果はありません。
理解しながら読むことにより、語彙の理解、文法の処理、意味の理解、文章全体の要点の理解などのリスニングに必要な能力を鍛えることができます。
理解できない文章があれば、いったん読むのをストップし、辞書を使ってしっかり理解してから読み進めましょう。
また、あまり難しい文章を音読し続けるとストレスになってしまい効果が薄れるので、1回読んだだけで80%の意味が分かるくらいのスクリプトを使いましょう。
注意点2:正しい発音で読む
完璧な発音である必要はありませんが、少なくとも正しい発音を目指しながら読むようにしましょう。
間違った発音で読み続けて、その発音が耳に染みついてしまうと、リスニングの本番で本物の発音とのギャップに対応ができなくなります。
ということは、音読で使う教材は音声付きのものが望ましいということになりますね。
注意点3:スピードを上げていくことを意識する
リスニングに欠かせないのが理解のスピードです。
音声のスピードについていけるように、音読のスピードも上げていかなければなりません。
もちろん速いだけで理解できなければ意味がありません。意味を理解したうえで読むスピードを上げる努力をしましょう。
勉強法2:精聴
精聴はその名のとおり「しっかり聴くこと」です。
リスニングの音声を1文1文じっくり聞き、スクリプトと照らし合わせ、辞書を引きながら、発音やアクセントを学びつつ、聞き進めていく、という真面目な勉強法です。
音の理解と意味の理解両方が鍛えられます。
正確な発音、文法、語彙なども同時に学ぶことができる上に、どのレベルの英語学習者にも確実な効果が期待できます。
デメリットとしては、進む速度が遅いので、若干ストレスになることと、触れる英語の量が少なくなるということです。
しかしリスニング力を上げるためには欠かせない勉強法なので、ぜひやってみてください。
勉強法3:ディクテーション
ディクテーション(Dictation)とは、音声を聞き、聞き取った英文を一字一句漏らさず書き起こす勉強法のことです。
音の理解に特化しています。
当然音声と同じ速度で書き起こすことは無理なので、再生と停止を繰り返しながら行うことになります。
ディクテーションの効果は「何となくわかる」から卒業できるということ。
細かい部分も細かく書きとらなければいけないので、今まで意味はだいたいわかるからと見過ごしていた部分が浮き彫りになります。
デメリットは、とにかく疲れる、ということです。音声を行ったり来たりさせるのも大変ですし、集中力が必要になる勉強法です。
無理せず自分のペースで行いましょう。
勉強法4:シャドーイング
シャドーイングでは、音声の後を追って音声のマネをします。
その名のとおり、音声の影となって、後に続けて復唱していくのです。
これは音の理解・意味の理解どちらにも特化した勉強法です。
英語のリズムやイントネーション、発音など音に関すトレーニングにもなるし、音声に合わせて理解するトレーニングにもなります。
同時通訳の養成学校などでも採用されています。
シャドーイングに最適な教材は?
シャドーイングを行う際、自分の英語力よりも少し低いレベルの教材を使いましょう。
普通に読めば80%は理解できるくらいがベストです。
音声を聞きながら、理解しながら、自分でも正しい発音を意識して読まなければいけないので、神経が分散されます。
あまりレベルの高い教材を使うと、効果が薄くなるので気をつけましょう。
勉強法5:音声を使った単語勉強
単語勉強にも音声を取り入れましょう。
単語のスペルや意味が分かっていても、その単語の発音が分からなければ、リスニング問題では役に立ちません。
発音はネットで検索すれば出てきますし、ほとんどの辞書アプリには音声機能が付いています。
面倒くさいかもしれませんが、発音が分からない単語は1つずつ調べましょう。
効果の出にくいリスニング勉強法
リスニング上達方法として世に出回っている勉強法の中には、残念ながらあまり効果がないものもあります。
そのような勉強方法に時間を無駄にしてしまうことは避けたいです。
聞き流し
「1日10分聞き流すだけでペラペラ」といううたい文句に騙される人はもう流石にいないと思いますが、聞き流しという勉強法が存在するということは事実です。
家事やエクササイズをしながら英語の音声をBGMのように流し、英語のリズムや発音が自然に身につく、という理論です。
確かに間違いではありません。英語にたくさん触れるということは間違いなく重要です。
しかしこの理論には穴があります。
意味が理解できなければいくら聞き流しても意味がない
聞き流しは、理解できる音声を使って初めて効力を発揮します。
聞き取れない音声をいくら聞き流しても、その音声が聞き取れるようになることはありません。
つまり英語を聞き取る練習をしているうちは、聞き流しに大きな効果はないのです。
これは他の言語に置き換えてみると分かりやすいです。
例えばスワヒリ語を聞いてみましょう。
このような音声を聞き続けたら、スワヒリ語が聞き取れるようになるでしょうか。
答えはNOです。スワヒリ語の文法と語彙、発音を学び、初級者用の教材でリスニング力を養って初めて、このような音源から効果を得ることができます。
しかし、もちろん聞き流しがマイナスの効果をもたらすことはありません。
英語に触れる量を増やすことは大事ですので、BGMをテレビや音楽から、英語の音声に換えるということはやる価値があります。
ただ聞き流しはサポート的な勉強法と思い、大きな期待はしないようにしましょう。
多聴
聞き流しと近いものがありますが、英語をひたすら聞く多聴という勉強方法もあまり有効な勉強方法とは言えません。
聞き流しと同様、多聴も理解できるものを聞かなければ得られるものは少ないです。
読んで90%以上理解できる教材を選ぶ
とはいえ、多聴は悪しき勉強法だからやめましょう、というわけではありません。
多聴は多くの英語学習の権威が推奨する勉強法です。
ただちょっと注意点があるというだけです。
その注意点とは、読んで90%以上理解できる教材を使わなければいけない、ということ。
それくらい理解できる教材であれば、英語を英語のまま聞いて理解する能力が養われます。
聞いた後にスクリプトと照らし合わせて、最終的に100%聞き取れるようになるまで聞き倒せば、多聴は十分効果的な勉強法になります。
映画・ドラマ
映画やドラマを使うリスニング勉強も、注意が必要な勉強法です。
理由としてはまず、高いレベルのリスニング力が必要とされるということです。
映画やドラマで話されている英語は、ネイティブスピーカーがネイティブスピーカーに向けて話している英語です。
発音もあいまいだし、砕けた表現も多く、リスニング練習中の学習者が行うと挫折の原因になりかねません。
また、映画の時代背景や特定の地域の文化を理解していなければ、セリフの意味が分からないこともあるので、初・中級者にはハードルが高いのです。
それ以外にも、実際の会話では使わないドラマチックな表現や大げさなリアクションが身についてしまうこともあります。
映画・ドラマを題材にした教材を使う
とはいえ、映画やドラマがネイティブ英語の宝庫ということは事実ですし、映画の中の生きた英語を理解できれば楽しくなってモチベーションアップにもなります。
映画・ドラマを使いたい人は、それらを題材にした英語教材を使ってみましょう。
詳しい解説や、文化背景の説明などがあるものが良いですね。
リスニング勉強に役立つアプリ
英語勉強用のアプリと言うと、一昔前はオモチャのようなものしかありませんでしたが、最近では本格的な勉強ができるアプリもたくさんあります。
スキマ時間の勉強に最適なので、英語勉強アプリはぜひ活用しましょう。
デュオリンゴ
デュオリンゴは世界中でダウンロードされている語学アプリです。
英語だけではなく94言語の学習を無料で行うことができます。
ポイント制、ランキング、ジェムなどのゲーム的な要素があり、楽しんで勉強することができます。
学習者のモチベーションを下げないための様々な仕組みがあることも特徴です。
Learn English Podcasts
Learn English Podcastは、定期的に更新されるポッドキャストが無料で聞けるアプリです。
ただ聴くだけでなく、スピードを落としたり、スクリプトを確認できたりと、リスニング学習にはもってこいです。
また、それぞれのポッドキャストの最後にはテストはあり、自分の理解度を確かめることができます。
BBC Learning English
BBC Learning Englishはイギリスの公共放送局のBBCが運営する、英語学習者向けのウェブサイトです。
このサイトと連携している公式アプリです。
アプリではこのサイトに掲載されているストーリーやニュースの音源の一部を聞くことができます。少々レベルが高いので、中級者向けのアプリになります。
RedKiwi
RedKiwiは動画を使ったリスニング練習アプリです。
YouTube動画からドラマ、映画、アニメ、インタビュー動画などを題材にして、ディクテーションの練習を行うことができます。
教材用に作られた動画ではなく、エンターテインメントとして作られた動画を使うので、飽きずに勉強が可能です。
ただ動画はオンラインでないと観られないので、WI-FIなしの環境ではちょっと使いづらいかもしれません。
シャドテン
シャドテンとは、シャドーイング学習の添削やアドバイスを、アプリを通して行うサービスです。
7日間の無料体験後は有料になりますが、非常に評価の高いアプリです。
プロからのフィードバック得ることができ、リスニングを本気で鍛えたい人におすすめです。
まとめ!
今回学んだことをまとめます!
英語のリスニング力を上げるコツと勉強法
コツ1:一語一句全ての単語を聞き取ろうとしない
コツ2:音声変化・音のつながりを意識する
コツ3:日本語訳しない
コツ4:数字の発音・読み方を知っておく
勉強法1:音読
勉強法2:精聴
勉強法3:ディクテーション
勉強法5:音声を使った単語勉強
効果の出にくいリスニング勉強法
1:聞き流し
2:多聴
3:映画・ドラマ
リスニング勉強に役立つアプリ
1:デュオリンゴ
2:Learn English Podcasts
3:BBC Learning English
4:RedKiwi
5:シャドテン
この記事を読んでくださったあなたの生活が、ちょっとリッチになることを祈っております。
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