無生物主語とは何?英語独特の構文の使い方を例文を使って解説!
今回の記事では、このような疑問に答えながら、無生物主語について解説していきます。
なんか小難しそうな用語ですが、実際はそんなことはありません。
また、使いこなせたら「ネイティブっぽさ」がグッと上がるので、ぜひ参考にしてみてください。
無生物主語とは
無生物主語とは、人間以外のものが主語になる文体のことです。物、状況、手段、出来事などが主語になって文章を形成します。
This train will take you to Tokyo station.
この電車に乗れば東京駅に着きます。
Her attitude made everyone in the room uncomfortable.
彼女の態度は、部屋にいた人達を不快にさせた。
これらの文章では、This trainとHer attitudeという人間ではない物が主語になっているのが分かるでしょうか。これが無生物主語です。
日本語ではあまり使われず和訳もしづらいので、多くの英語学習者が感覚的な理解に苦しむ項目なのです。
無生物主語の特徴
無生物主語は独特な表現方法です。無生物主語を使うメリットや注意点を見ていきましょう。
文章がスッキリする
無生物主語の良いところは、文章がスッキリするということです。
先ほどの例文を見てみましょう。
これを、無生物主語を使わずに書き直すと
語数が増え、文章も2つになってしまいましたね。会話ではこのような回りくどい言い方は好まれません。
実はこの2つ目の長くなってしまった例文は、日本人の英語学習者が使いがちな言い回しです。日本語をそのまま訳していて、ネイティブっぽさに欠けます。
無生物主語を使って語数を節約することで、会話や文章のテンポが良くなり、ネイティブ英語に近づくことができるでしょう。
訳し方にクセ
無生物主語を使った英文は、直訳すると不自然になることが多いです。そのため、日本語訳するさいは少しヒネらなければいけません。
この無生物主語を使った例文を訳してみましょう。
直訳すると「大雪が、私たちが外に出ないように防いだ」となります。とても不自然ですね。
まず、この文章の意味を理解し、意訳をしなければいけません。
「大雪が防いだ」とはつまり、「大雪が影響して」ということです。それを踏まえて日本語訳をすると
「大雪のせいで、私たちは外に出ることができなくなった」
となります。
後で詳しく見ていきますが、無生物主語は「原因・理由」としての役割をすることが多いです。そのまま主語として日本語訳しないようにしましょう。
意味を理解して、自然な日本語に当てはめる、という手順です。
客観的事実を述べる
無生物主語を使うと人が主語にならないため、個人的な感情や意見を述べずに、客観的な事実だけを述べることができます。
彼の振る舞いは、許されるべきではない。
「彼」の振る舞いに対して、意見を述べている文章です。
この文章を、無生物主語を使わずに書き直すと
We should not allow him to act that way.
私たちは彼があのように振る舞うのを許してはいけない。
I don’t allow him to act that way.
私は彼があのように振る舞うことを許さない。
というようになります。
無生物主語を使った文章に比べて、怒りや個人的な嫌悪感が、文章から感じられますね。
それに対して、無生物主語を使った文章では、「あくまで客観的な意見で、個人的に彼の行いが嫌いと言いたいのではない」という冷静なニュアンスが含まれます。
「まぁオレは別に気にしないけど、普通に考えたらダメだよね」というニュアンスを出したい時にも使えます。
無生物主語でよく使う動詞
ここからは、無生物主語と一緒に使われる頻度の高い動詞を、ジャンル別に見ていきます。様々なパターンがあるので、いろいろ覚えて使ってみましょう。
原因・理由
1つ目は「原因・理由」です。「~のせいで、~のおかげで、~のため」という意訳がされます。
Cause
電車の遅延のせいで、遅れた。
(電車の遅延は、私を遅れさせた。)
Enable
奨学金のおかげで、彼女は勉強に集中することができた。
(奨学金は、彼女に勉強に集中することを可能にさせた。)
Force
大雨のせいで、彼女は独りで遊ばなければいけなかった。
(大雨は彼女に、1人で遊ぶことを強要した。)
Allow
十分な収入があるおかげで、彼は健康でいられる。
(十分な収入は、彼に健康でいることを許す。)
remind
彼女の笑い方を見ると(聞くと) 、母を思い出す。
(彼女の笑い方は、私に母を思い出させる。)
Surprise
そのニュースには驚いた。
(そのニュースは私を驚かせた。)
Excite
高い車には、もう興奮しない。
(高い車はもう私を興奮させない。)
条件・手段
続いて「条件・手段」です。「~すれば」という意訳が多いです。道や交通機関などの説明でよく使われます。
Take
この電車で町田まで行けます。
(この電車はあなたを町田まで連れていきます。)
Lead
この道を行けば、空港まで行くことができます。
(この道はあなたを空港まで導きます。)
Bring
なぜアメリカにいらしたんですか?
(なにがあなたをアメリカに連れてきたのですか?)
使役
「~させる」という意味の使役動詞もよく使われます。意訳は「~のせいで」になることが多いです。
Make
薬を飲むと眠くなる。
(薬は私を眠くさせる。)
阻止
「~させない」という意味の動詞も使われます。「~のせいで~ができなかった」という意訳をされることが多いです。
Prevent
渋滞のせいで、彼はスケジュールどおりに動くことができなかった。
(渋滞は彼がスケジュールどおりに動くことを防いだ。)
Keep
その知らせのせいで、ジェイクは会話に集中することができなかった。
(その知らせは、ジェイクが会話に集中することを邪魔した。)
言う・示す
シンプルですが、「言う・伝える」という意味の動詞も頻繁に使われます。意見の根拠としてデータを提示するときになどによく使われます。
意訳は「~によると」が多いです。
Say
天気予報によると、今日の午後は雨になるそうだ。
(天気予報は、今日の午後に雨が降ると言っている。)
Tell
データによると、その商品の売り上げは伸びていないようだ。
(そのデータtは、その商品の売り上げは伸びていないと言っている。)
Show
研究では、健康的な食事が精神衛生を保ってくれることが分かっている。
(研究は、健康的な食事が精神衛生を保ってくれると言っている。)
まとめ
無生物主語は何やらむずかしいように聞こえますが、例文を細かく見ていけばそこまで厄介なものではないことに気が付くでしょう。
無意識の内に使っていた、という人もいたはずです。
無生物主語を上手く使えるようになると、英文がスッキリしてネイティブらしい英語にグッと近くなります。例文を音読し、何度も聴き、マネして例文を作って、ちょっとずつ使えるようになっていきましょう。
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