「だったらいいのに」は英語で?wish, hope, 仮定法を使った願望や空想の表現まとめ

英会話でよく使うフレーズ集, 英語学習コラム

 

実際には起こっていないことを空想するときに、「~だったらいいのに」という言い方をしますね。

 

 

しかし英語で同じ表現をするとなったら、パッと文章が出てこない人が多いのではないでしょうか。

 

 

今回の記事では、願望や空想を表す「~だったらいいのに」の表現を、例文を交えながら学んでいきます。

 

 

 

前半は仮定法の解説を、後半ではそれを踏まえた「だったらいいのに」の解説をしています。

 

 

 

 

仮定法は無視できない

 

「~だったらいいのに」の表現を学ぶ際に避けて通れないのが、仮定法です。仮定法は日本語には無い時制の変化があるのでややこしく、学校教育でも挫折者の多いポイントです。

 

 

しかし仮定法をマスターすれば、「だったらいいのに」だけでなく、微妙なニュアンスの表現や、何かを遠回しに言う方法までマスターできます。「伝わればいい」のレベルの英語からステップアップできるでしょう。

 

 

ちゃんとしたステップで学んでいけば、そこまで難しいものではありません。これを機に仮定法を習得しましょう。

 

 

 

 

 

基本的な仮定法の使い方

 

仮定法のややこしさは、時制の変化にあります。日本語とマッチしない変化の仕方をするので、混乱を招いてしまうのです。

 

 

無理に日本語とマッチさせようとしない方が良いでしょう。

 

 

仮定法の文章は基本的に

If+主語+過去形の動詞, 主語+助動詞の過去形+原形の動詞

という順番になります。

 

 

ピンとこなくても心配ありません。自分でも書いていてよくわからなくなります。こんな時は例文を先に見たほうが分かりやすいでしょう。

 

 

 

If I had my cellphone, I would call her.
もし私の携帯電話があれば、彼女に電話するのだが。

 

 

仮定法を使って「電話を持っていたらなぁ」という願望が表現されている例文です。「If+主語+過去形の動詞, 主語+助動詞の過去形+原形の動詞」の公式に当てはまっているのが分かるでしょうか。

 

 

ここで注意をして欲しいのが、時制です。この例文にはやたら過去形が多いですが、過去の話は1つもしていないのです。電話がないことも、電話をしたいという願望も全て現在の出来事です。

 

 

なぜこのような時制の使い方をしているのかと言うと、英語独自の願望の表現の仕方のためです。

 

 

英語では、動詞を過去にすることによって、現在から遠ざけ、それにより非現実、つまり願望・空想を表現します。

 

 

この「過去形で非現実を表す」という感覚が日本語には無いので、仮定法がいまいちピント来ない人が多いのです。

 

 

 

しかしたくさんの例文に触れていくことで、次第に感覚的に理解できるようになってきます。例文をたくさん音読し、たくさん聞き、たくさん作ってみましょう。

 

 

 

 

 

仮定法はどんな時に使う?

 

仮定法は願望以外にも、様々なニュアンスを表現できます。色々なシチュエーションで使われている仮定法を見ていきましょう。

 

 

「予測」を表す仮定法

 

 

If Mr. Johnson saw this, he would pass out.
ジョンソンさんがこれを見たら、気を失うだろうね。

 

 

「ジョンソンさんがいたとしたら」という空想の話をしています。そして後半の文章は「予測」になっていますね。現実とは違う状況の話全般に、仮定法が使えます。

 

 

 

 

「無念」を表す仮定法

 

 

I would go to the party if I didn’t have night shift.
夜勤が無ければそのパーティーに行くのに。

 

 

「夜勤が無ければ」という空想の話ですね。そこから「パーティーに行けない。無念!」というニュアンスを出しています。

 

 

if節と主節が反対になっているところにも注目しましょう。「主語+助動詞の過去形+原形の動詞 If+主語+過去形の動詞」の形でも成立します。

 

 

ちなみに「夜勤がある」はhave a night shiftになります。

 

 

 

 

「愚痴」を表す仮定法

 

 

If I wasn’t on debt, I wouldn’t work 15 hours a day.
もし借金が無かったら、1日15時間も働かないよ。

 

 

願望や無念と近いニュアンスですが、「もし~だったら、こんな目に遭っていないのに」という「愚痴」を表すこともできます。

 

 

be on debtで「借金をしている」という意味ですね。

 

 

予測、無念、愚痴。これらのニュアンスを遠回しに表現できるのが、仮定法なのです。

 

 

 

 

仮定法を使った「だったらいいのに」の表現

 

ではここで、本題である「~だったらいいのに」の言い方を見ていきます。仮定法を使った方法は、何となく理解できたのではないでしょうか。

 

 

例文を見ながら、整理していきます。

 

 

 

If I could play trumpet, I would join that jazz band.
もしもトランペットが吹けたら、あのジャズバンドに加入するのに。

 

 

「トランペットが吹けたらいいのになぁ」という願望を表した例文です。

 

 

 

 

If she was not married, I would ask her out.
彼女が結婚していなかったら、デートに誘うのになぁ。

 

 

「彼女が結婚していなければなぁ」という願望が表現されています。Ask+人+outで、「~をデートに誘う」という意味になります。

 

 

 

 

 

I could see it better if I had glasses on.
メガネをかけていればもっとよく見えるのに。

 

 

「メガネさえあれば」という願望ですね。If節と主節が逆になったパターンにも慣れておきましょう。

 

 

 

 

 

If I were single, I would be able to travel more.
独身だったら、もっと旅行ができるのに。

 

 

「独身だったらなぁ」という願望ですね。

 

 

 

 

 

仮定法の中のbe動詞はwereになる

仮定法では、If節の中のbe動詞は、wasの代わりにwereが使われることがあります。これは、昔は過去形のbe動詞はwereしかなく、その名残だと言われています。昔ながらの文法を使って、非現実感を出そうという狙いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

if onlyを使った「~だったらいいのに」を表現

 

仮定法の基本的な形を使った例文を見てきましたが、当然これら以外の形の仮定法も存在します。その1つが、if onlyです。

 

 

If only I knew how to get there.
そこまでの行き方を知ってさえいれば。

 

 

例文からもわかる通り、if only「~さえすれば」という意味になります。

 

 

使い方は簡単で、if onlyのあとに過去形の文章を続けるだけです。先ほど学習した仮定法の基本形を半分にした感じですね。

 

 

もう少し例文を見ていきましょう。

 

 

 

 

If only it was not raining.
雨さえ降っていなければ。

 

 

お祭りや野外コンサートなどで、「雨さえ降っていなければ完璧だったのに」と思うことがありますよね。そんな時に使えます。でも、びしょ濡れになるのもいい思い出になりますよね。

 

 

 

確認ですが、これは過去の文章ではありません。今現在雨が降っていて、この雨が降っていなければなぁ、というシチュエーションの例文なので、気を付けましょう。

 

 

 

 

If only she didn’t have a boyfriend.”
“You wouldn’t have chance anyway, relax.”
「彼女に彼氏さえいなかったら。」
「(たとえそうだとしても)どうせチャンスは無いって、落ち着けよ。」

 

 

「彼女が独身だったら、アタックできるのに。残念だなぁ」という意味を含んだ文章になります。

 

 

後の人が、「You wouldn’t have chance」と、wouldを使って返事をしているところに注目しましょう。最初に発言した人の時制と、一致するようにしています。

 

 

 

 

wishを使った「~だったらいいのに」の表現

 

仮定法の変形型として有名なのが、wishです。

 

 

「望む、希望する」という意味ですが、会話では願望や後悔を表す仮定法で使われることが多いです。

 

 

 

 

 

I wish I knew this earlier.
もっと早くに知っていれば。

 

 

こちらも使い方は簡単で、I wishの後に過去形の文章を続ければ完成です。

 

 

この例文では、「もっと早くにこのことを知っていれば、もっと上手く出来ていたのになぁ」という願望、もしくは後悔を表現しています。

 

 

 

 

 

 

I wish you were here.
あなたがここにいれば良いのに。

 

 

カナダのシンガーソングライターのアヴリル・ラヴィーンさんの歌に、この例文と同じタイトルの歌がありますね。

 

 

歌詞の内容は、「あなたは去って行ってしまったけど、私は今でもあなたが恋しくて、ここにいればいいのにと思っている」という感じです。願望を表す仮定法ですね。

 

 

 

0:40~ "But right now I wish you were here🎶"

I Wish You Were Here / Avril Lavigne

 

 

 

失恋じゃなくても、楽しいパーティーに来れない人がいて、その人に対して「あなたがいればもっと楽しかったのに、残念」というシチュエーションでも使うことができます。

 

 

 

 

 

“Do you play piano?”
I wish I could”
「ピアノ弾けるの?」
「弾けたらいいけどね」

 

 

遠回しに「弾けないよ」と言っていることが分かるでしょうか。「弾けたらなぁ」という願望を表現することで、否定をしています。

 

 

仮定法を知らないと、この返事をされたときに混乱してしまうかもしれませんね。

 

 

 

 

“I think I’m the best player in our team”
You wish.
「チームの中で俺が一番うまいと思うよ。」
「言ってろよ」

 

 

これは、知っていないと分かりづらいwishの使い方です。

 

 

You wishだと「あなたは(実際はそうではないが)そうであることを望む」という意味になりますよね。

 

 

この例文では、最初の話者の人が「自分がベストプレイヤーだ」と言っているのに対して2番目の話者が仮定法のwishを使うことで「っていう空想でしょ」と呆れた様子を見せています。

 

 

若干高度なwishの使い方ですが、サラッと使えるとカッコいいので覚えておきましょう。

 

 

 

 

 

hopeを使った「だったらいいのに」の表現

 

さて、ここまで仮定法を使った「だったらいいのに」の表現をたくさん見てきました。しかし実は、仮定法を使わない方法もあります。それがhopeです。

 

 

I hope it won’t be raining today.
今日は雨が降らないと良いけど。

 

 

「雨が降らなければいいなぁ」という文章ですね。

 

 

hopeは、wishとは決定的に違うところがあります。それは「現実に起こり得る願望である」ということです。

 

 

wishは「現実には起こっていないけれど、こうだったらいいのになぁ」という、空想を伴う願望でした。それに対してhopeは、「実際にこれから起こり得る願望」になります。

 

 

その証拠に、hopeに続く文章は現在形か未来形です。過去形にして非現実感を出す必要がないんですね。この違いには注意して、もういくつか例文を見ていきましょう。

 

 

I wish + 過去形の文 → 叶うことのない願望
I hope + 平叙文 → 叶う可能性のある願望
 
 

 

 

 

 

I hope you can see him.
彼に会えると良いね。

 

 

会話の相手は、まだ「彼」には会っていないけど、これから会える可能性がある、ということが分かります。

 

 

Wishを使うと、彼にはもう会えないけど、会えたらよかったのにね、というニュアンスが生まれます。

 

 

 

I hope you can see him.
彼に会えるといいね。(会える可能性がある)

I wish you could see him.
彼に会えれば良かったのに。(会える可能性が無い)

 

 

 

 

 

I hope she is single.
彼女、独身だといいな。

 

 

この例文では、「彼女」に恋人がいるのかどうかが分かっていません。その上で「いなかったらいいな」という願望を表現しています。

 

 

これがwishだと、「彼女」に恋人がいることが判明していて、いなければチャンスがあったのになぁ、という文章になります。

 

 

 

I hope she is single.
彼女、独身だといいな。(独身かどうかが判明していない)

I wish she was single.
彼女が独身だったら良かったのに。(恋人がいることが分かっていてがっかり)

 

 

 

 

 

まとめ

 

今回学んだことをまとめます。

 

 

・英語で「~だったらいいのに」を表すには、仮定法の習得が欠かせない
・仮定法は現実には起こっていないことを、空想するときに使う
・仮定法の基本形は「If+主語+過去形の動詞, 主語+助動詞の過去形+原形の動詞」
・仮定法は、過去形を使って非現実を表現する英語独自のシステム
if onlywishを使った、省力バージョンもある
hopeを使うことで、現実に起こりうる「~だったらいいのに」を表現できる

 

 

仮定法はちょっと身構えてしまいます。しかし全てをいっぺんに学ぼうとせずに、例文を1つ1つ分解しながら学んでいけば、大したことはありません。

 

 

焦らずに、ちょっとずつ自分のレパートリーに取り入れていきましょう。

 

 

この記事が、あなたの英語ライフをちょっとリッチに出来れば、幸せです。

 

 

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