副詞と形容詞の違いは?ややこしい品詞の見分け方とそれぞれの役割を徹底解説

英語学習コラム

 

英文法を学んでいると必ず直面するのが、品詞です。

 

 

その中でもややこしいのが副詞と形容詞です。

 

 

これら2つの品詞は、名詞や動詞に比べると役割が似ており、混乱してしまう人も多いのではないのでしょうか。

 

 

今回は、そんなややこしい品詞、副詞と形容詞の違い見分け方を、分かりやすく解説していきます。

練習問題も用意しているので、確認にも活用してください。

 

 

 

 

 

 

副詞と形容詞の違い

 

まず、副詞と形容詞の基本的な違いを見ていきましょう。

 

 

修飾する対象が違う

 

副詞と形容詞は、修飾する対象が全く違います。

 

 

※修飾とは
修飾とは「意味を追加で説明すること」です。例えば「bread(パン)」という名詞に「hard(固い)」という説明の役割をする単語をつけると、「hard bread(固いパン)」となります。この場合、「hardbredを修飾している」という言い方をします。

 

 

 

形容詞は名詞を修飾す

 

形容詞が修飾する対象は名詞のみです。言い換えると、形容詞は名詞を説明するための単語、ということです。

 

例を見てみましょう。

 

 

 

I like this spicy food.
この辛い食べ物が好きです。

 

この文章のspicyfoodという名詞を修飾している形容詞です。

 

 

もう1つ例を見てみましょう。

 

 

An old man opened the door.
老人が扉を開けた

 

形容詞のoldが、名詞manを修飾していますね。

 

 

このように形容詞は名詞の前に来ることが多いですが、動詞の後に来ることもあります。

 

 

 

 

That exam was hard.
あの試験はむずかしかったね。

 

Wasというbe動詞の後に、形容詞hardが来ています。

 

この場合でも、hardは名詞examの説明の役割を果たしているので、「hardexamを修飾している」と言うことができます。

 

 

 

 

 

副詞は形容詞と動詞を修飾する

 

副詞は、形容詞と動詞の2つの品詞を修飾することができます。例文を見てみましょう。

 

 

 

You run so fast.
あなたはとても速く走るんですね。

 

副詞fastが、動詞runを修飾している例です。あとで詳しく解説しますが、語順に気をつけましょう。

 

 

 

 

 

He always says that.
あいついつもそうやって言うよね。

 

副詞alwaysが、動詞sayを修飾しています。副詞の種類や文構造のよって位置が変わるのがポイントです。

 

 

 

He is really nice.
彼はとてもいい人です。
 

副詞が形容詞を修飾している例ですね。副詞のReallyが形容詞niceを修飾しています。Reallyが、彼がどれくらいniceなのかを追加で説明しているのが分かります。

 

 

このように、副詞が形容詞を修飾するときは「度合い」を説明することが多いです。

 

 

 

 

文章の中での重要度が違う

 

副詞と形容詞では、文章の中での重要度が違います。どちらが重要なのかと言うと、ずばり形容詞です。

 

 

文章の中にある単語は、品詞によって重要度が変わります。まず重要なのが主語になる名詞と、動詞です。主語と動詞は、文章の一番大事な要素といえます。

 

 

 

 

 

続いて重要なのが形容詞です。形容詞は、名詞の良し悪しや、状態を伝える役割をしているので、文章の意味を左右する力があるのです。

 

 

例えば、This cake is good(このケーキおいしい)と、This cake is bad(このケーキマズい)では、文章の意味が正反対になります。

 

 

 

 

 

 

副詞は、形容詞ほど重要ではありません。なぜかというと、前述したとおり、副詞が伝える情報は主に「度合い」です。

 

 

This cake is really good(このケーキすごくおいしい)と、This cake is good(このケーキおいしい)は、どちらの言い方をしても「ケーキがおいしい」という事実は変わらないので、文章を読み解くのに大きな支障が出ません。

 

 

したがって、形容詞の方が副詞よりも重要というわけです。

 

 

 

 

 

副詞と形容詞の見分け方

 

ここからは、副詞と形容詞の見分け方を学んでいきます。コツさえつかめば、考えること無しに、感覚でわかるようになります。

 

 

 

接尾語で見分ける

 

英単語の接尾語には法則性があります。接尾語とは、単語の語尾のことです。この接尾語の法則を利用すれば、副詞と形容詞を見分けることができます。

 

 

副詞は形容詞+接尾語「ly」t

 

Really, Actually, casually, fortunately

 

 

これらは副詞ですが、接尾語を取り除くと形容詞になるのがわかるでしょうか。

 

 

Real, actual, casual, fortunate

 

 

つまり、形容詞にlyをつけると副詞になる、言い方を変えると、接尾語がlyの単語は副詞、ということになります。

 

 

もちろんlyのつかない副詞やlyのつく形容詞など、例外はありますが、7割の単語はlyの有無で副詞かどうかを見分けることができます。

 

 

 

 

位置で見分ける

 

副詞と形容詞は文章の中で、置かれる位置が異なります。それぞれのお決まりのポジションを把握すれば、見分けることが容易になります。

 

 

形容詞は名詞の前か動詞の後

 

形容詞は名詞を修飾するので、名詞の直前に置かれる場合が多いです。

 

 

 

It’s a beautiful day.
良い日ですね。

 

I don’t want to eat this soggy bread.
このふやけたパンは食べたくないな。

 

 

1つ目の文では形容詞beautifulが、名詞dayの直前に、2つ目の文では形容詞soggyが、名詞breadの直前に置かれているのが分かります。

 

続いて動詞の後のパターンを見ていきます。

 

 

 

He is tall.
彼は背が高い。

 

 

Tallは「背が高い」という意味の形容詞です。Be動詞の後に来ていますが、名詞のHeを修飾しています。

 

 

 

That girl became famous after the concert.
コンサートの後、その少女は有名になった。
 

形容詞famousが、動詞becomeの後に来ており、that girlを修飾しています。

 

 

 

副詞は形容詞か動詞の前と後

 

副詞は形容詞と動詞を修飾します。そのため形容詞と動詞の周りが定位置です。

 

 

 

You almost got the first place.
もう少しで1位だったね。(もう少しで1位を取ったね)

 

副詞almostが、修飾している動詞gotの直前に置かれています。

 

 

 

 

His idea is more creative.
彼のアイデアの方がよりクリエイティブです。

 

副詞moreが、修飾している形容詞creativeの直前に置かれています。

 

 

 

I tried hard to make her laugh.
彼女を笑わせようと精いっぱい頑張った。

 

副詞hardが、修飾している動詞triedの直後に置かれています。

 

 

ここで気が付いた方も多いと思いますが、副詞と形容詞はどちらも動詞の後に置くことができます。これでは位置で見分けることができません。

 

そんな場合は、意味で見分けることができます。

 

 

 

 

意味で見分ける

 

始めから説明していることですが、副詞と形容詞は修飾する対象が異なります。そのため、日本語訳したときに、何を修飾しているかで、副詞か形容詞かを見分けることができます。

 

 

 

The restaurant is closed.
レストランは閉まっている。

 

Closedは動詞の直後に置かれているので、位置だけでは副詞か形容詞かが判断できません。しかし意味を見てみると、closedが説明(修飾)をしているのは名詞のthe restaurantです。副詞は名詞を修飾できないので、closedは形容詞ということになります。

 

 

 

 

 

They studied hard.
彼らは一生懸命勉強した。

 

同じく、hardが動詞の直後に置かれています。しかしこのhardが説明(修飾)しているのは動詞のstudiedです。動詞を修飾できるのは副詞だけです。したがってこの文でのhardは副詞となるわけです。

 

 

 

 

 

副詞と形容詞を見分けられるかテスト!

 

ここからは練習問題です。

 

赤色になっている単語が、副詞なのか形容詞なのかを当ててください。答えは下にまとめて載せています。

 

 

1). You are such a brave man.
2). I would be so mad if I were you.
3). I actually didn’t know that.
4). Squirrel can move very quickly.
5). Honestly, I thought she was right.
6). Are you free tonight?
7). I hit my head so hard.
8). It’s hard to find a cheap restaurant in New York City.
9). What a lovely day!
10). She is a friendly person.

 

 

 

1). 形容詞
2). 形容詞
3). 副詞
4). 副詞
5). 副詞
6). 形容詞
7). 副詞
8). 形容詞
9). 形容詞
10). 形容詞

 

 

※lyが付く形容詞
8と9の問題で、気になった人は多いのではないでしょうか?

 

接尾語がlyなのに形容詞ですね。実はlyが付く形容詞は結構あります。

 

Lyが付く形容詞に関しては、コチラのEnglish grammar with UNAGIさんの解説を参考にしてみてください。
【TOEIC上級】ひっかけ問題に注意!「-ly」で終わる形容詞一覧

 

 

 

 

頻出の副詞の一覧

 

Very(とても)
Always(いつも)
Almost(ほとんど)
Actually(実際は)
Really(本当に)
Usually(だいたいは)
Sometimes(時々)
Annually(一年ごとに)
Daily (日ごとに)
Beautifully(美しく)
Occasionally(時々)
Often(頻繁に)
Honestly(正直なところ)
Seriously(真剣に)
Fortunately(幸運なことに)
Frankly(率直に)
Sadly(悲しいことに)
Happily(嬉しいことに)
Wisely(賢明にも)
Stupidly(愚かにも)

 

 

 

まとめ

 

副詞と形容詞の違い
・修飾する対象
・重要度

副詞と形容詞の見分け方
・接尾語で見分ける
・位置で見分ける
・意味で見分ける

 

 

当然イレギュラーもたくさんあるので、たくさんの英文に触れて、慣れていきましょう。

 

副詞と形容詞の、それぞれの役割を理解できれば、長文読解、リスニング、ライティングの質が上がります。

 

 

 

 

合わせて読みたい

 

 

24時間365日ネイティブスピーカーとレッスンし放題!「ネイティブキャンプ」

 

 

 

独学を徹底サポート!!中学英語を使える英語にする教材「JJ English エクササイズ」

 

 

万能英語学習法シャドーイングをプロが徹底指導「シャドテン」

 

 

発音に特化した専門スクール「ハミングバード」

  

 

 

 

 

スポンサーリンク